ベッドタイムアイズ(再読)

この小説には驚くほどに雑味がない。
雑味というのは、「解釈」とか「観察」とか、そういうものだ。
作者は登場人物たちの体験や衝撃を、登場人物たちが実際に肉体を通して感じている「感覚」や「息遣い」の中だけに描き出している。
そして登場人物たちも、その息遣いを、息遣いのままにして、無理に言葉に当てはめたりはしないのだ。
山田詠美のデビュー作。個人的には山田詠美で一番好き。

ベッドタイムアイズ (河出文庫)

ベッドタイムアイズ (河出文庫)